クリティカルシンキング <客観的に、論理的に、相手にわかりやすく伝える>

クリティカルシンキングとは

「物事を経験や直感に頼らず、客観的、論理的に考え、それを相手にわかりやすく伝えるための思考法」のことです。
自分の頭で事実や情報をもとに推論し正しい結論を導き出せるようにする思考法です。

環境変化の予測が難しい「VUCA時代」です。「やったことがある(経験)」「知っている(知識)」だけでは対応しきれない「未知の問題」への対応にクリティカルシンキングが求められています。

クリティカル・シンキングを実施するのに必要な行動・態度

  1. 目的(イシュー)は何かを意識する
  2. 経験からくる偏った価値観や思い込みなどに影響されずに考える
  3. 問題が解決したと思っても、そこで考えを止めずに考え続ける

クリティカルシンキングの色々な手法・考え方

MECE ミーシー(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)<モレなく・ダブりなく>

「それぞれの事柄が重なり合うこともなく、しかも全体として漏れがない」ということで『モレなく・ダブりなく』する事です。

MECEは、ロジカル・シンキングの基本的な考え方ですが、クリティカルシンキングでも役立ちます。

商品の計画を立てるときなどにも、まずこの考え方で属性を整理して、そこからどこを強化していくかと考える必要があります。
下手な計画は、属性での欠落があり、属性がだぶっている似たような商品・ケンカアイテムを計画してしまうことです。
欠落した属性は当然売り上げを作ることができませんし、似たような商品を計画してしまうと売り上げが分かれてしまいます。
更に、人は悩んだら買わないとも言われています。似たような商品の展開では全く売れなくなる可能性もあります。

コンビニの品揃えなどは、この極地といえます。限られたスペースで必要なものを多く品揃えするには、ケンカアイテムの展開はできません。

このように、商品計画・MDではこの『MECE』の考え方が大切になってきます。

なぜ、なぜ、なぜを繰り返す  <真の問題を探る>

よくあるのは、問題の深堀りをせずに現象の対策をすぐに出すというものです。

ロスが出る ⇒ ロスの予算を守ることを徹底する

といったような解決実施です。

業務改善の手法の中にも『対策を考えない、問題を考える』というのがあります。

とにかく、何が問題なのかを深堀りする

なぜロスが出るのか ⇒ そもそもの投入量が多い
なぜ投入量が多いのか ⇒ 計画の精度が低い
なぜ計画の精度が低いのか ⇒ 前回の反省ができていない
なぜ反省ができていないのか ⇒ 業務のスケジュール化ができていない

この場合の本当の対策は、『きちんと計画をする為の反省をスケジュール化し実行する事』になります。

なぜ、なぜ、なぜの深堀りをしていくと本当の問題がわかってきます。本当の対策に近づいていくと言えます。

ゼロベース思考 <既存の枠にとらわれず「顧客が何を望んでいるか」から考える>

ゼロベース思考とは、既存の枠や現在実施していることにらわれずに考えることです。

特に過去の成功体験などがじゃまをしたり、自分が経験してきた場所の常識にとらわれてそれ以上の発想ができなかったりします。

ゼロベース思考は、そういった成功体験や常識を取り除いて『ユーザーの視点でユーザーが何をのぞんでいるか』という『ゼロの場所』から考えることです。

えてして、「成功体験にとらわれるな」という人が、その成功体験にとらわれていることも多々あります。

例えば、日本の小売業の歴史を語る中で欠かすことのできないコンビニエンスストアーを作り上げた鈴木さんでさえ、「成功体験にとらわれるな」と言いながら、ヨーカドーにコンビニの成功体験を持ち込み、凋落傾向にあったヨーカドーの凋落のスピードをあげてしまったような気がします。

簡単なようで経験してきたことを抜きにして考えるというのは難しいものです。

ピラミッド・ストラクチャー<伝えたい主張とその根拠となる事実を図式化>

ピラミッドストラクチャーとは、伝えたい結論や主張とその根拠となる事実を図式化する手法のことです。
頂点に結論や主張を置いて、その下に複数の根拠を置く構造になります。

一つの結論・主張とその複数の根拠という関係を階層状に並べると自然とピラミッドのような形になるため、ピラミッド・ストラクチャーと呼ばれています。

まず最初に結論や主張を正しく決め、そこからその答えに関するデータを集め、グルーピングします。次にグルーピングした情報と最初の結論や主張と矛盾点がないか見ていきます。

少しでも矛盾点があると説得力のない説明になります。

『話は、結論から言え』とよく言われますが、このピラミッド・ストラクチャーの形で説明することが伝わり易いからです。

ロジックツリーと似た感じがありますが、ロジックツリーは、論理的思考によって問題の原因を調べたり解決策を考えたりする手法です。横向き・水平に考えるのに対して、ピラミッド・ストラクチャーは、結論や主張を最初に決定し根拠を階層的に並べるという垂直の形になります。

ロジックツリー<根本的な原因を見つけ問題を解決する手法>

ロジックツリーは問題の要因を分解して階層毎に整理することで根本的な原因を見つけ問題を解決する手法です。

論理的な考えを樹木状に分解していくことから、ロジックツリーと呼ばれます。分析のためには、1階層だけでなく深く掘り下げる必要があります。少なくとも5階層以上は必要と言われています。

ツリーの種類には下記のような種類があります。

  1. Whatツリー<要素分解ツリー>
  2. Whyツリー<原因究明ツリー>
  3. Howツリー<問題解決ツリー><イシューツリー>
  4. KPIツリー<重要業績評価指標ツリー>

ロジックツリー作成のための便利なツール

無料作成ツール XMAINDがおすすめです。 ダウンロードはこちら⇒ XMAIND

ロジックツリー
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