SHEIN(シーイン)ってどんな会社?『やすくておしゃれ!』『Z世代に人気!』の理由

SHEIN(シーイン)ってどんな会社?

世界のユニコーンの企業価値(2022.12.19日本経済新聞)3位のシーイン!!

1.バイトダンス 1400億ドル

2.スペースX  1270億ドル

3.SHEIN(シーイン) 1,000億ドル

世界のユニコーンの企業価値で見るとTIKTOKのバイトダンス、イーロンマスクのロケット事業のスペースX、その次に来るのがSHEIN(シーイン)

いま、アパレルで世界から注目を集めているSHEIN(シーイン)とはどんな企業なのでしょうか?

中国発祥のアパレルブランド『シーイン』。中国での認知度は低い。

現在はシンガポールに本社がありますが、中国が発祥のアパレルブランドです。

当初から中国国内での販売でなく世界での販売を目指した企業戦略を持った企業。世界220か国で販売を行う越境EC企業になっています。

中国発の企業ながら中国国内向けのサイト運営をしていないため、中国国内での認知度はほとんどありません。

安くておしゃれ!!シーインの7つの強み。

①安くつくる技術。

ネット販売に特化することにより店舗維持費などの無駄な経費がかからない。
製造から発送まで一貫して同じ会社が行っているので、仲介料が削減でき安い価格での提供が実現できています。
・アメリカの個人向け小包は、1人あたり800ドル以下の輸入に関し免税となっており、店舗を構える既存のファストファッションブランドよりもシーインは安くなる。

おしゃれを生み出す技術(トレンドの予測技術)

ビッグデータ、SaaS「AIアシストデザイン」を使った今後流行するであろうデザインや生地、色彩などの予測の精度をあげている。
・南京、深圳、広州、杭州4つの都市にバイヤーとデザイナーで構成された計800名にもなる調査チームを作り予測することに力を入れている

③新作をスピードで作る技術。

・ミニマムロットとなる100単位での多品目展開を軸に毎日3千から5千の新作をサイトに上アップしている。
(この量はZARAにおける年間の新作総数に匹敵)
生産拠点の中国にあるという利点を生かし、小規模な工場と提携していて、多品目小ロット生産が可能納期が7日から11日、100から500のロット受注が可能であることを企業に求めている。
・そのスピードから「スーパーファストファッション」「リアルタイムファッション」という新しい概念を生んでいる。

④売れ筋を見つける技術

・売れ筋の商品を見つけるため常にA/Bテストを行っている。試作品は異なるスタイルや生地、色の組み合わせを行った小ロットで製作し、手始めにオンラインテスト販売が行われ、結果が良好であった方の商品の大量生産が開始される。
・テストは、国際市場で展開することを目的としているため、自国でなく人種のるつぼであるアメリカで優先的に行っている

⑤量を作る技術

・シーインでは原材料の仕入れ・製造の全ての工程を中国国内に構築し企画から出荷まで最短3日、平均2週間という驚異的なリードタイムを創り出している。
・また、協力サプライヤー全ての工場にシーイン独自の管理システム「SCMシステム」がインストールされ、商品の販売状況がリアルタイムで監視共有されており、売れ行きが良ければ在庫調整や生産指示が自動で入る仕組みができている。

⑥販促の技術

・TikTokなどSNSの活用。フォロワーの多い大学生などをKOC(Key Opinion Consume)として認定し、大量に採用。SNSで宣伝してもらい露出をあげている。報酬は払わず、代わりに毎月無料で商品を提供する。
・購入すればするほど特別値引きが適用されるうえ、ポイントプログラムやクーポンの配布により購買行動が加速する仕組みを作っている。

⑦物流

・生産された製品は全て広東省仏山市の物流センターに送られ、ここで5,300名の倉庫従業員によって発送作業が行われる。
・仏山市、南沙、ベルギー、インド、アメリカの東海岸と西海岸に自社物流倉庫を抱え、ロサンゼルス、リエージュ、マニラ、義烏、南京に合計7つのカスタマーセンターを抱えている。

シーインを調べてみて感じたこと

シーインの強みの一つや二つは真似できるかもしれませんが、すべてを実施していくのはとても難易度が高いと思われます。

日本の国内の企業で似ているなと思ったのはワークマンです

ワークマンも商品や出店のABテストを何度も実施して精度を高めています。また、販促の仕方も通常のインフルエンサーでなくKOCを活用しています。
商品の価格に対しても徹底して安い価格ということにこだわっている点も同じです。

いま、元気な企業、お客様の支持を得ている企業というのは同じ要素を持っています。

私自身、シーインで買い物をしてみたのですが、購入するとこれでもかというぐらい、販促クーポンが送られてきます。これは中国らしいところです。
間接的でなく直接遠慮なく来ます。

商標権の問題やまだ改善の余地があると思われる物流の問題などもあるのですが、ベータ分析実際のABテストによる修正を実施している今のシーインの伸びは止まりそうにないようです。