コストコのビジネスモデル
コストコの小売り業態は、メンバーシップホールセールクラブ(Membership Wholesale Club)と言われているものです。
会員から会費を受け取り、卸価格に近い低価格で商品を提供する小売業です。企業の利益は商品からでなく、会員からの会費で賄うと言ったビジネスモデルです。
コストコ渋滞という言葉もあるように商品の値上げラッシュの今、低価格での提供は各店舗とてもにぎわっています。
メンバーシップホールセールクラブ(以下MWC)は1976年にカリフォルニア州サンディエゴで設立されたプライスクラブが最初といわれています。
また、コストコの1号店は83年にワシントン州に作られた倉庫形体店舗です。93年にそのコストコとプライスクラブが一緒になり、97年には企業名もコストコカンパニーに変更して今に至っています。
日本では99年に福岡市の郊外にある久山という場所に作られたのが最初です。私もつくられてすぐに行きました。当時は1日会員もすぐに作れたように記憶があります。
日本の船場にも多くある現金問屋では個人客は対象としないのですが、コストコのMWCでは個人客も取り込むメンバーシップ制を採用した新しい業態となっています。
いまはセブンアンドアイグループの一つとなっている『赤ちゃん本舗』も、かつてコストコと同じ個人客も取り込む現金問屋でした。
ただ、会員の費用で利益を出すというところまではいってなかって、今の各企業が実施している会員の囲い込みの施策の一つにとどまっていたようです。
アマゾンのプライム会員はコストコの真似?
アマゾンのプライム会員のビジネスモデルは、コストコの真似と言われています。
実際、アマゾンのジェフペゾフはコストコのジム・セネガルと交流があり、コストコのビジネスモデルの影響を受けたといわれています。
無料のプライムビデオや無料配送などプライム会員の特典をどんどん増やして、会員を集めていく。その有料会員の会費で収益を出していく、まさしくコストコと同じビジネスモデルです。
もっとこのようなビジネスモデルが増えてもいいと思うのですが・・・・
ウオルマートの会員制クラブ『サムズクラブ』『ウオルマート+』
世界最大の小売業ウォルマートも『サムズクラブ』という会員制スーパーを作っています。
『サムズクラブ』の名前は、ウオルマートの創業者のサム・ウォルトンから来ています。
『サムズクラブ』は米オクラホマ州に1983年4月にに初の小売店をオープンしています。実に30年以上の歴史を持ちます。
90年代初めよりに国際市場に進出していて、現在、中国を含む世界各地で800店舗以上を展開しています。
売上はコストコに次いで2位ですが会員数は世界に約5,000万人以上で、世界最大の会員制スーパーと言われています。
コストコと同じ形態が『サムズクラブ』なら、アマゾンを意識したウオルマートの戦略が2,020年に導入された『ウオルマート+』です。
一番の売りが、無料宅配の使い放題です。会員数はまだアマゾンが圧倒していますが、直近でいうと『ウオルマート+』が会員価格の安さで大きく伸ばしてきています。
コストに敏感な消費者ですので、両方の会費を払い続けることはしないと思います。クローガーなども同じようなサービスを実施してきていますので、どこを選んでもらうかのシビアな競争が始まりそうです。