「酸っぱいぶどう理論(sour grapes theory)」は、人が自分の欲しかったものを手に入れられなかったときに、そのものを実際には望んでいなかったかのように思い込む、または価値がないものだとみなす防衛機制のことを指します。
この概念は、イソップ寓話「酸っぱいぶどう」の話に由来しています。
話の中で、キツネは手の届かないぶどうを「どうせ酸っぱいに違いない」と自分に言い聞かせて、そのぶどうを諦めます。
この理論は、認知的不協和の一例と考えられています。
酸っぱいぶどう理論の例
1. 大学受験
ある学生が志望していた大学に落ちたとき、「この大学は自分に合っていなかったし、そこまで良い大学ではない」と自分に言い聞かせる場合。
2. 恋愛
ある人が好意を寄せていた相手に振られた後、「あの人はそんなに素晴らしい人じゃなかった」と自分に言い聞かせて、気持ちを整理しようとする場合。
3. 仕事の面接
ある人が憧れていた会社の採用面接に落ちた後、「実は、その会社は自分のキャリアにとって理想的な場所ではなかったかもしれない」と考えることで、落選の悔しさを和らげようとする場合。
これらの例は、人が手に入れられなかったものや達成できなかった目標に対して、心理的な防衛反応として価値を下げて認知的不協和を解消しようとする行動です。