「行動経済学」とは、経済学と心理学が融合したものです。

行動経済学とは

『行動経済学』は経済学の一分野であり、経済学と心理学が融合したものです。
経済学とは人間の研究です。人間の心理と経済学の数学モデルを合わせた研究が『行動経済学です』
さまざまな心理を見ていきましょう。

従来の経済学では『人は合理的に行動する』という事を前提に考えられていました。

しかし、実際、人は必ずしも得な商品を選ぶとは言えない現象も多くあります。

私の経験からも衣料品のセールなどで1割引きよりも10倍ポイントとしたほうが売れるという
事があります。

衣料品では3割引やシーズンの最後などでは半額もありますので1割引きでは響かない,だけど10倍ポイントとすると割引額は同じなのに売れ行きが違うという事がありました。

「ちょっと高いけれど、好きなタレントがCMをしている商品だから購入する」と言ったこともよくあると思います。

 

「行動経済学」では『人間は必ずしも合理的な行動を取らない』というのを前提に物事を考える経済学です。

 

2017年にノーベル経済学賞をリチャード・セイラー博士が「行動経済学に関する功績」で受賞したことで再度注目を浴びることになりました。

 

「行動経済学」という考え方が登場したのは20世紀後半ですが、2002年に行動経済学者のダニエル・カーネマン博士がノーベル経済学賞を実験経済学者のバーノン・スミス博士とともに、「行動経済学と実験経済学という新研究分野の開拓への貢献」で受賞したことで世の中に知れ渡ったのがスタートと言えるかもしれません。

 

「行動経済学」は下記のプロスペクト理論が良く知られています。

*プロスペクト理論

「利益を獲得する喜び」よりも「損失をかぶる悲しみ」が大きいとという理論です。

そのため、利益を獲得する場面ではリスクを回避して確実に利益を得る行動を取る場合が多いのですが、損失の可能性があるときはリスクを取ってでも損失を回避しようとする行動をとる場合が多い。という理論です。

 

「100万円もらえる確率は90%」「90万円もらえる確率は100%」の場合、どちらを選択するでしょうか?多くの場合、確率100%の90万円もらえる方を選ぶのではないでしょうか。

一方、「100万円損する確率は90%」「90万円損する確率は100%」の場合はどうでしょうか?

こちらは、100万円損する確率90%の方を選ぶのではないでしょうか。

 

利益を得る場合は 確実に取れる方を。損をする場合は リスクを張ってでも少しでも回避できる方を選ぶ『プロスペクト理論』の一例です。

ナッジ理論

「ナッジ(nudge)」とは「(合図のために)肘で小突く」、「そっと押して動かす」という意味です。

面と向かってこれをやりなさいというよりも、気づきを与えることで行動するように持っていくことです。

行動経済学の理論の中でも特に注目されているのが、『ナッジ理論』です。

男子トイレで、小便器の中に印がついているのを見たことがあると思います。

「トイレの中に!」というよりも、このしるしを目がけることでちゃんと小便器の中にするようになるしけけ。これもナッジ理論の『仕掛け』の活用です。

 

また、栄養ドリンクや美容クリームなどの製品情報のなかに「△△△が、1000mg配合!」などとよく表記されていますが、これが「1g配合!」では、効きそうに感じません。

同じことを言っているのに表現の仕方で印象が大きく異なることを『フレーミング効果』と言います。