【マニュアル活用】『AI』利用で生きたマニュアルへ!

使われるマニュアルにするために

店舗のオペレーションで必要なマニュアル。マニュアルを作成しても活用されないという悩みは多いと思います。

マニュアルの成功例としては、しまむらさんの現場のパートナーさんの意見を反映し、日々進歩していくマニュアルや無印良品さんの「MUJIGRAM」などが有名です。

一番のポイントは作りっぱなしにしない。現状に応じた形にすぐに修正していくという事です。
少しでも現状に則さないことがあると使われなくなります。

言うのは簡単でもなかなか継続するのは難しい。しまむらさんや無印さんのようなトップの強烈なリーダーシップがないと継続は難しいようです。

また、マニュアル自体は絶えず更新されているのになかなか使われないということも多くあります。

『使われるマニュアル』 私のいた会社で実施して効果があった施策を紹介します。

私のいた会社は年商が1000億手前の、店舗数が100店舗ちょっとの会社です。

その会社で実施したのは チャットボット利用による『使われるマニュアル』化です。

『チャットボット』で使われるマニュアルに

イオンさんがAIを利用しての社内のQ&Aを実施するという記事を見て さすが、イオンさん、大手は違うなと思ったのですが、ちょっと考えてみると、AIというのはチャットボットの活用のことだとわかりました。

わからない事に対して簡単に調べられる状況をつくる。その最適ツールがチャットボットです。

実際、わからない事というのは大半がマニュアルの中にあるのですが、それを探すのが面倒、探せないというのがほとんどです。そして、本社へ電話をして聞く。本社では、店舗からの問い合わせへの対応。これも会社の中での問題の一つになっていました。本来の業務に支障をきたす。トップからも指摘をうけていました。

その解消としてチャットボットの利用で店舗からの問い合わせに対応することを提案しその部門を一時的に組織化しました。

実は当社も少し前からチャットボットを実験的にスタートしていたのですが、目的も何に使ったらいいのかもわからず、メーカーさんの言うままのスタートだったので使われずに消えかけていました。

チャットボット活用のリスタートです。

まず、チャットボットスタートの前にマニュアルを最新の正しいものにするという作業がありました。チャットボットの活用と同時でも良いのですが、まず現状あるマニュアルを更新しておいてある程度の質問への回答ができる態勢をつくりました。

これは、マニュアルの作成に関しては、整備する組織が以前からありましたので 大きな手間はかかりませんでした。マニュアルはあるけれど使われていないというのが当社の現状でした。マニュアルが作成されたままで更新されていない会社の人は、ここがちょっと大変かもしれません。

チャットボットの活用での苦労三点

チャットボットの活用での苦労した点が三点あります。

一つ目は、チャットボットへの打ち込み方の指導。

グーグル検索に慣れている人がほとんどですので単語での打ち込みの人が多く、文章になっていないという点です。

チャットボットは ある一定以上データが入ってくると入力した単語からの類推で質問事項が出てくるようになるのですが、はじめのうちは文章での質問でないと回答を用意することができません。ここの説明で時間を要しました。

二つ目は、評価を打ち込んでもらえない

二つ目は、評価を打ち込んでもらえないという事です。BAD,GOODの評価を打ち込んでもらってはじめて次に進めるのですが、ここの徹底も難しい項目でした。BAD評価へ対応していくことがチャットボットの精度アップになるのですが、この評価がないと対応のしようがありません。

三つ目は効果が出る前にやめてしまう

三つめは、回答がもらえず、使えない仕組みと判断してしまってやめてしまう人が発生するという事です。最初のうちはBADが多いのは当然なのですが、チャットボットを知らない人は欲しい回答がもらえないダメな仕組みと判断してしまう事です。特にIT系に弱い管理職に多く見受けられました。AIを理解せず初めから正しい回答がでるものと思い込んでいるちょっと頭の固い連中です。

これらの対応としてまず使う事の徹底をしました。店舗数が100店舗を超える会社でしたので店舗ごとの使用数と評価の実施の割合を毎週出し、店長会などでも指摘をしました。

そして 返答の精度をあげる。使ってもらっても返答の精度が低ければチャットボット自体使われなくなってしまいます。

事務局としては、バッド評価への対応を対象部門へ投げかけ返答の精度アップにつなげることを地道に実施することです。

その中にはマニュアルの見直しも多くあります。使えるマニュアル、進化するマニュアルです。

マニュアルは作って終わりの会社も多くあると思います。チャットボットで聞かれるたびに現状に対応していかなくてはいけない状況をつくることで使えるマニュアル、進化するマニュアル化を進める事ができます。

使っていくと便利なのですが、啓蒙活動を継続していかないと徐々に利用が減っていく、忘れられる傾向は否めません。

これも継続して必要なことになります。

 

マニュアルを使用してもらえないということで悩まれている方は、ぜひ実施してみて下