先日、テレビの番組で、甲子園優勝投手でプロになった人とならなかった人の特集がありました。
プロにならなかった人の多くはケガなどでしたが、不振になってどうやってなげればいいかわからなくなった。
その人は、良かった時の投げ方に戻そうとしたが、ダメだったという話をしていました。
また、元に戻すのではなく、さらに進歩する努力をすればよかったとも言っていました。
企業や店舗でも同じことが言えるのでは、とその時感じました。
本当に仕組みが、ガタガタになっているのなら、元に戻すということで若干の改善はあるでしょうが、不振の原因のほとんどはお客様のニーズについて行っていないことです。
それを過去のやり方に変えてもお客様のニーズとの乖離はもっと進む可能性のほうが大きいです。
今の日本もそうかも知れません。
私は10数年前に中国に3年滞在していたのですが、中国に大きく離されていくのは目に見えていました。
その頃は、まだ、ほとんどの日本人が中国よりも上だと言っていましたが・・・
今の日本を元気だったころと同じ政策で元に戻すことは絶対できません。
現状から何が問題かを考えて、どのような形に持っていくのかを考えて、そこから今何をすべきかを考えて実施する。
企業も同じです。元に戻そうということは考えないで、お客様のニーズとの乖離を素直に認めて、次にどういう形に持っていくのかを明確にして実行していく、
そうあるべきです。
日本には、100年企業が多くあるといいます。
これらの企業は、現状維持を続けてきたのではないといいます。
世の中に合わせて変化し、進歩を続けてきた企業のみが残っているのです。
店舗も同じです。世の中に合わせて付加価値をつけ続けた店舗が残っていきます。
古い話で申し訳ないですが、かつてダイエーは、できた時がピークで、手を入れないので、年々価値が落ちていく。
伊藤名誉会長が引っ張っていたころのイトーヨーカドーは、年数を経るにしたがって徐々に繁栄店になっていく店舗が多かったです。
私もGMSに勤めていたころ、創業者の会長から、付加価値をつけ続けるということを徹底して教えられました。
年度の予算を決める時も 売れない店舗の店長は、減益になったり、下手をすると赤字になったりするので、経費をあまり使いたがらないのですが、
会長からは、どのように付加価値をつけるのかと言われるのでしかたなく計画を作成していました。
お客様の目からすると当然ですよね。店舗の赤字などは、お客様からすると関係ありません。買いやすい、鮮度のある店舗で買いたいだけですから、付加価値をつけ続けることが最も正しい店舗対策になるわけです。
中国の百貨店の総経理をしているときに、毎週のスピーチの中で言葉を変えながら言い続けたことが、「私たちは下りエスカレーターに乗っているようなもの、エスカレーターのスピードに合わせて登って、初めて、現状維持です」ということです。
元に戻す、現状のまま維持をするでは、企業は成り立たないということを認識しておきたいものです。
これは、自己啓発でも同じです。昔の知識だけでなく。勉強し続ける、自分の付加価値をつけ続けることが必要です。
よくあるのが、良い大学を出た人・・・
勉強しないで世の中から遅れていっているのに気づかない人を時々見かけます。自分は ××大学を出たんだというだけの自慢で終わってしまっている。
自分自身の付加価値をどうつけていくかが大切です。
いま在籍している会社は自身のスキルを成長させる場であり、将来の準備の場と考えて自分自身の付加価値をつけていくようにしたいものです。
それが、結局は、会社に対しても貢献できることになります。