値入率:ロス前の売買差益率
値入率:値入率を上げるというのは、図をみてもらうとわかるように 売価を上げるか、仕入れ原価を下げるかです。
売価を上げる=値上げというのは、売れる量が少なくなるというリスクを伴います。
理想は、原価を下げる努力をすることです。
小売業に入って最初に間違えやすいのが、値入率と粗利率です。
値入率は、ロス(値下げロス、廃棄ロス、不明ロスなど)を全く加味していないものになります。
粗利率は、実際に棚卸をして在庫確定をし、ロスを確定した後の数値になります。
粗利率:ロス後の実際の売買差益率
粗利率:粗利率をあげる為には、ロスを減らして、売価に近い価格で販売することです。
また、仕入れ原価を下げて値入率を高くすることも同時に必要です。
ロス:値下げロスや破損、万引きなどのロスがあります。
『粗利』と『荒利』にはとくに意味や定義に違いはないようです。
小売業や卸業を行っている業種が比較的多く使っているのが「荒利」のようですが企業によってまちまちです。
ちなみに、滋賀県や東海地方に多くの店舗をもつ『平和堂』では、「売上高」のことを『ご奉仕高』、「粗利益高」のことを『創造高』といいます。
在庫日数・在庫回転率:在庫の効率を見る指標
在庫日数とは
「在庫として保有している商品が何日分の売り上げになるのか」を示す数値のことです。
- 在庫日数=在庫高(売価)÷1日の平均売上高
在庫日数は、適正在庫を把握するための指標として用いられます。在庫日数が長い場合は、商品を在庫としてストックしている期間が長いということです。在庫日数は、短いほど良いですが、あまりにも短いと納品サイクルによっては品切れを起こしている場合もあります。
また、食品のデイリー商品と家具などでは、最適の在庫日数は全く違います。業種によっての在庫日数を把握して比べてみましょう。
他の業種と比べるのでなく、現状より改善するという見方が大切です。GMSが専門店に負けた理由の一つに、商品の特徴を見ずにすべての業種で同じコントロールをしたことがあげられます。
在庫回転率とは
現在保有している平均の在庫数(又は金額)が、ある一定の期間に何回売れたのかを示す数値です。
- 在庫回転率=期間中の出庫金額(売上原価)/期間中の平均在庫金額(棚卸資産)
・・・金額ベース - 在庫回転率=期間中の出庫数/期間中の平均在庫数 ・・・数量ベース
在庫回転率の数字は大きければ大きいほど、在庫が入れ替わっている回数が多いことを示します。
従って、在庫の仕入れにかかった費用が売上げに変わる頻度が多く、資金面で効率が良いことを表します。
交差比率:在庫投資に対する利益貢献度を見る指標
- 交叉比率=粗利益率×在庫回転率
粗利益率=粗利益÷売上高
在庫回転率=売上高÷平均在庫高
交叉比率は高いほど効率が良いと言えます。
交叉比率を高める為には粗利益率をあげるか在庫を下げ在庫回転率を上げる必要があります。
在庫回転率は売れている商品の拡大と不振商品の縮小によって上がります。
在庫を下げる為に全体の縮小、特に売れている商品も縮小してしまうと平均在庫は落ちても品切れを起こし売上自体も落としてしまい、結果回転率も悪化します。
従って交叉比率は営業の効率を総合的に見る指標と言えます。