ショッピングジャーニーとは、お客様が商品やサービスを知り、購入し、使うまでの一連のプロセスや体験を指します。簡単に言うと、「お客様が買い物をする旅」のようなものです。この旅は、いくつかの段階に分かれています。
ショッピングジャーニーの5つの主なステップ
1. 認知 (Awareness)
お客様が商品やサービスの存在を知る段階です。
例: テレビCM、SNSの広告、友人の口コミなどを通じて商品を知る。
2. 興味・検討 (Consideration)
お客様が「これが自分に合うかもしれない」と興味を持ち、詳細を調べる段階です。
例: インターネットで商品のレビューを読む、店舗で実物を確認する。
3. 購入 (Purchase)
お客様が実際に商品を購入する段階です。
例: 店舗でレジに行く、オンラインで「購入ボタン」を押す。
4. 利用・体験 (Experience)
購入した商品を実際に使い、その品質や価値を体験する段階です。
例: 購入した靴を履いてみて快適さを感じる、家電を使って便利さを実感する。
5. リピート・推奨 (Loyalty/Advocacy)
商品やサービスに満足したお客様が再び購入したり、他の人におすすめする段階です。
例: 同じブランドの商品を買う、SNSで「これ良かった!」と投稿する。
ショッピングジャーニーの例
例えば、「新しいスニーカーを買いたい」という人のショッピングジャーニーを考えてみます。
1. 認知
街で履いている人を見て「おしゃれだな」と気づく。
Instagramでそのスニーカーの広告を見る。
2. 興味・検討
Googleで「このスニーカーのレビュー」を検索。
公式サイトや口コミサイトでデザインや機能を調べる。
3. 購入
店舗で試着して購入するか、オンラインストアで注文する。
4. 利用・体験
実際に履いて「軽くて歩きやすい!」と満足する。
5. リピート・推奨
同じブランドの他の商品も気になり始め、友達に「このスニーカーめっちゃいいよ!」などと話す。
小売業として意識すること
1. 各段階でのサポートが重要
認知段階では広告やプロモーションが効果的。
購入段階では店員の丁寧な対応やスムーズな決済が必要。
2. 一貫したブランド体験を提供
店舗、オンライン、カスタマーサービスなど、どの接点でもお客様が満足できる体験を心がける。
ショッピングジャーニーが意思決定に与える影響
ショッピングジャーニーは、買い物客の心理、企業活動、社会的影響、そしてテクノロジーが複雑に絡み合い、消費者の意思決定に大きな影響を与えます。
それぞれの要素がどのようにプロセスに影響するのか、具体例を交えながら説明します。
1. 買い物客の心理
消費者の感情や思考、価値観が購買行動に影響します。
■買い物客が「健康的な食品を買いたい」と考える心理が、オーガニック商品や低カロリー食品を選ぶ動機になる。
具体例:
健康志向の消費者が、スーパーで「低糖質」や「無添加」のラベルが貼られた商品に注目し、他の商品より高い価格でも購入を決める。
2. 企業活動
広告、販売戦略、商品のパッケージングなどが、消費者の購買行動に直接影響します。
■企業が大規模な広告キャンペーンを展開することで、商品への認知度が上がり、購入検討が促される。
具体例:
新発売のスマートフォンのCMをテレビやSNSで繰り返し目にすることで、消費者がその商品を検索したり、店頭で実物を確認する行動を起こす。
3. 社会的影響
家族、友人、社会的トレンド、口コミが購買行動に影響します。
■他人の意見や行動が、消費者の興味や購入意欲に影響を与える。
具体例:
人気インフルエンサーがSNSで特定の化粧品を「これが今一番おすすめ!」と紹介すると、多くのフォロワーがその商品を検索し、購入を検討するようになる。
4. テクノロジー
インターネット、AI、データ分析、モバイルアプリが購買プロセスを大きく変えています。
■消費者がスマートフォンやAIアシスタントを使って簡単に情報を検索し、商品を比較できるようになった。
具体例:
消費者がAmazonで商品を検索すると、過去の購買履歴やAIによるおすすめ商品が表示される。その結果、自分では考えていなかった商品を購入する可能性が高まる。
ショッピングジャーニーでの影響の例
1. 認知 (Awareness)
心理: 「環境に優しい商品を買いたい」という意識が高まる。
企業活動: エコ製品の広告やパッケージで「環境配慮」を強調する。
社会的影響: 環境問題を重視する友人の影響で興味を持つ。
テクノロジー: SNS広告で「エコバッグ」のキャンペーンを見る。
2. 検索・検討 (Consideration/Search)
心理: 価格や機能を慎重に比較したい。
企業活動: 公式サイトで詳細情報やレビューを公開する。
社会的影響: 口コミサイトやYouTubeレビュー動画を参考にする。
テクノロジー: 価格比較サイトやショッピングアプリを使う。
3. 購入 (Purchase)
心理: 「買い逃したら損をする」という限定セールが購買を後押し。
企業活動: ポイント還元や送料無料キャンペーンを実施。
社会的影響: 家族や友人の「これいいよ!」という一言で購入を決断。
テクノロジー: スマホでワンクリック購入が可能。
4. 共有 (Share)
心理: 「良いものは他人にも教えたい」という満足感。
企業活動: SNS投稿で特典がもらえるキャンペーンを実施。
社会的影響: シェアされた投稿を見た友人が購入を検討。
テクノロジー: InstagramやTwitterで写真を投稿。
まとめ
買い物客のプロセスにおける心理、企業活動、社会的影響、テクノロジーの連携が、購買行動を多面的に左右します。
これを理解することで、小売業者は消費者にとって価値のある体験を提供し、購買意欲を高める戦略を練ることが可能です。
ショッピングジャーニーを理解することで、お客様の立場に立った対応ができ、より良いサービスを提供できます!