売場の数字

『売り上げが欲しいがために割引で販売する』 というのは小売業では多くあります。

売れないことには始まらないといいうのはよくわかるのですが、本来の目的の利益を確保するという観点で見るとどうでしょうか?

値下げ販売と利益の関係。値下げした場合の利益を確保するための必要販売数の関係を見てみます。

値下げ販売と必要販売数の関係

■値入率が50%の場合

20%OFFにすると・・・

値入率が50%の商品 原価 500円の商品を 1000円で販売する場合の利益は 500円です。

その商品を20%OFFの800円で販売した場合は 原価はそのままで売上額が800円になるので 利益は300円です。

当初の500円の利益を稼ぐためには 500円/300円 = 1.67倍を販売してやっと同じ利益を稼ぐことができます。

100個販売の場合でしたら 167個の販売が必要ということです。

30%OFFだとどうでしょう?

30%OFFだと販売価格は 700円になり、原価の500円は変わらないので 利益は200円になります。

割引しない場合の利益500円を稼ぐためには 500円/200円 = 2.5倍売る必要があります。

100個売れている商品でしたら 250個販売してやっと利益が同じということです。

必要伸び率 値入50%の場合

元売価 10%OFF 20%OFF 30%OFF
  売価 1,000 900 800 700
  原価 500 500 500 500
  粗利 500 400 300 200
必要伸び率 125% 167% 250%

■値入率が40%の場合

商品の当初の値入率によって必要販売数は変わってきます。

値入率が40%の場合を見てみましょう。

20%OFFにすると・・・

商品の当初の販売価格は先ほどと同じ1000円だとします。

値入率が40%の商品は、原価が600円になります。

定価のままの販売だと 400円の利益を得ることができます。

20%OFFで販売すると、販売価格は800円。

原価は600円のままですので、利益は200円になります。

定価販売時の倍の数量を販売して初めて定価販売の時の利益を得ることができます。

必要伸び率 値入40%の場合

元売価 10%OFF 20%OFF 30%OFF
  売価 1,000 900 800 700
  原価 600 600 600 600
  粗利 400 300 200 100
必要伸び率 133% 200% 400%

■値入率が60%の場合

必要伸び率 値入60%の場合

元売価 10%OFF 20%OFF 30%OFF
  売価 1,000 900 800 700
  原価 400 400 400 400
  粗利 600 500 400 300
必要伸び率 120% 150% 200%

まとめ

値下げ販売で利益を稼ぐのは難しいことがわかります。

売上額だけを考えて「安く売りたい」という声を上げる店舗の方は多くいます。

ただ、あくまでも商売というのは利益を確保するというのが目的ということを忘れないようにしましょう

衣料品業界が利益が出せていないのは値下げ販売が一番の原因です。

利益率の高いワークマンなどは、メインがワーク商品なのでデザインの切り替えやシーズンでの値下げをほぼ実施せず。

切り替えは数年販売したのちに残を値下げということでその商品に対して高い利益を上げることができます。

建値消化率は95%を誇るのですからほぼ当初投入時の値入がそのまま利益になっていきます。

『ワークマン』『シャトレーゼ』の利益率が高い理由。

値下げ販売は利益だけでなく、お客様に元の売価への不信感ももたらします。

丁寧に販売していくということを心掛けたいですね。